東京でもできる木材の地産地消!あなたも使いたくなる「とうきょうの木」の魅力とは?

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公開日:2024年09月13日
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現役大学生が、東京の農林水産業に関する取り組みや疑問について取材するコーナーです!今回は意外と知られていない?東京の林業について取材してくれました!

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猛暑が話題になる日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
私はこの時期になると、爽やかなマイナスイオンを求めて森や山に行きたくなります。地球温暖化対策としてもよく話題にあがる「森林」や「林業」について、猛暑がつらいこの時期に考えてみませんか?そして、実は大都会・東京にも豊富な緑があり、林業が営まれているということを一緒に学んでいきましょう!


2024年8月17日・18日の二日間にわたって、東京ビッグサイトで日本各地の林業や木材製品を紹介するイベント「JAPAN ReWOOD」が行われました。

 


本イベントは、林業についての展示を鑑賞するだけではなく、国産木材に触ったり、気に入った製品を購入したり、ワークショップに参加したりと様々な楽しみ方をすることができるコンテンツが提供されました。また、木を「伐る」という一工程だけでなく、「(木を)育む」「(木で)創る」といった取り組みにも焦点が当てられ、林業の一連の流れを理解してもらえるイベントになっています。
当日は、長野県や北海道など林業が盛んなイメージのある県が多数出展している中、東京都のブース「とうきょうの木魅力発信拠点TOKYO MOKUNAVI」(以下、「MOKUNAVI」)も出展していました!



「MOKUNAVI」とは、「東京の森林と、とうきょうの木の恵みを感じることができる体験型ショールーム」として東京都が運営しています。イベント当日はお子様連れの方の来場も多く、MOKUNAVIブースも大盛況となっていました。ただ、来場者の中には、東京で林業が営まれていることを知らない方もいらっしゃいました。


首都・東京の約4割は森林!?

「ビルが林立する東京に森があるの!?」と驚かれる方もいると思いますが、実は東京都の面積の約3分の1は森林で、その全てが多摩地域にあります。普段の生活の中で森林を目にすることも少ないため、東京で林業が営まれていると聞いてもイメージが湧きづらいという方が多いのではないでしょうか。そんな東京では、消費地に近い生産地として、古く江戸時代からスギやヒノキをはじめとした林業が盛んに行われていました。そこから現在に至るまで、東京の林業が盛んに行われていました。そこから現在に至るまで、東京の林業は連綿とつづいているのです。

JAPAN ReWOOD内では、東京の林業についてパネルやワークショップで学べるようになっている。
 




「とうきょうの木」ってなに?

■東京の森林の現状

「MOKUNAVI」の寺田紀子(てらだ・のりこ)さん


さらに東京の林業について詳しく知るため、「MOKUNAVI」の寺田紀子(てらだ・のりこ)さんに東京の森林についてお話をうかがってみました!
寺田さんによると、多摩地域のスギやヒノキは今、利用期をむかえ、「伐り時、使い時」なのだとか。樹木が二酸化炭素を吸収する役割を持つことは皆さんもご存じだと思いますが、「実は樹齢20年を超えると二酸化炭素を吸収する量は減っていき、逆に子孫を残そうと花粉を多く出すようになり飛散量が増えるんです。東京の森には、そういった樹齢50年以上の木がたくさんあり、まさに今が使い時なんです。」と話します。



多摩地域の森林の多くは人工林のため、人の手を入れて定期的に管理し続けることが重要となってきます。
森林を健康に保つためには「森林の循環」が重要なのだと寺田さんは語ります。「東京都では、木を伐採したら必ずその伐採地に苗木を植えています。花粉発生源対策として、新たに植える苗木には花粉の少ないスギやヒノキの苗木を使っているんですよ。」(寺田)

ただ、木を伐っても、伐った木材を利用する先がなければ森の循環は成り立ちません。そのため東京都や森林所有者・製材業者等で構成される「多摩産材認証協議会」では、多摩地域の森林から生産された多摩産の木材に「とうきょうの木」という愛称を使用して、東京産の木材をPRする活動を行っています。
つまり私たち消費者は、「とうきょうの木」を使った製品を意識して利用することで、森の循環に貢献することにもつながるのです。


■「とうきょうの木」の魅力
寺田さんは「今後、商業施設をはじめ、多くの場所でとうきょうの木が使われてほしい」とおっしゃっていました。近年は、東京都内でも公共施設や商業施設、駅舎の内装や外装に「とうきょうの木」を使用する木質化の取り組みが進んでいるようです。東京で育った温かみのある木が私たちのすぐそばにあるということは、消費者としても地産地消に貢献しているようでとても嬉しくなりますね!

今回のイベントでもMOKUNAVIブースには「とうきょうの木」を使ったグッズがたくさん展示してあり、「とうきょうの木」の面白さや可能性を感じさせてくれる素敵な空間でした。

「とうきょうの木」で作ったシールやカプセルトイも紹介していた



■「とうきょうの木」の未来
東京の林業は、他の地域の林業と同様に人手不足という課題を抱えています。「とうきょうの木」を使ってくれる人だけでなく、MOKUNAVIの活動が林業従事者を増やす一助になればと寺田さんはかたります。私たち消費者も、東京の林業についてもっと知ることが必要かもしれません!
寺田さんも「東京にも素敵な森林がたくさんあることを知ってほしいです。」と話します。多摩地域では、複数の事業者が森林の見学ツアーや林業体験イベントを開催しているそうです。こういった機会を利用して、みなさんも東京の森に足を運び、東京の林業についてぜひ一緒に考えてみませんか。


東京の林業をもっと身近に!
新宿にあるショールーム「TOKYO MOKUNAVI」では、今回のイベントのように「とうきょうの木」を使った製品が展示されているだけではなく、VRを使った木の伐採体験や、東京産の木材を使って建物を建てる際の補助金や支援制度について相談することができます。また、イベントやワークショップも開催されています。東京の森林について知りたい方や、いきなり東京の森に行くのはハードルが高いという方にお勧めです!

他にも東京都では、都民参加型の森づくり運動も活発に行われており、花粉の少ないスギなどへの植え替えを行う「花粉の少ない森づくり運動」、森林整備にボランティアとして携わることのできる「とうきょう林業サポート隊」などがあります。林業課題の解決に直接関わることができる仕組みなので、ご興味をお持ちの方はぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか!



▼取材協力
TOKYO MOKUNAVI
https://tokyomokunavi.metro.tokyo.lg.jp/
TOKYO MOKUNAVI 紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=ly5ioG0DZKY
TOKYO MOKUNAVI LINEお友達登録実施中!
https://page.line.me/137typhd?oat_content=url&openQrModal=true
国産木材の魅力発信拠点 MOCTION
https://moction.jp/

取材者:大学3年生N・M

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今後も東京都の農林水産業についての情報を発信していきます!
ぜひ皆さんも、東京都の農林水産業について「気になる!」「これを知りたい!」という情報やご意見がありましたら、ぜひファンクラブ事務局まで教えてくださいね!

 

▼情報やご意見はこちらからどうぞ

https://www.tokyo-aff-fc.jp/contact/

 

それでは次回の更新をお楽しみに♪
 

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